雑草SEの備忘録

東大を卒業し、SEとして働くことになった。備忘録的に作業を綴る。

CentOS6.6にApache2.4をインストールする

【CeontOSにApacheTomcatシリーズ】 第1回 CentOS6.6にApache2.4をインストールする
第2回 CentOS6.6にJava8, Tomcat8をインストール
第3回 Apache2.4とTomcat8を連携させる

 

私は、勉強のため、さくらVPSでサーバを借りています。

VPSはVirtual Private Serverの略です。

中学生の頃、ホームページを作っていた時はレンタルサーバといえば、HTMLファイルが置けるだけだったり、PerlなどのCGIが動かせるものがほとんどでしたが、今はサーバまでクラウド上で借りれる時代になったのですね。

そこで、Webサーバを立てるため、Apacheを入れようと思いました。CentOSapacheを入れるには、

yum -y install httpd

などというコマンドをたたけば良いのですが、これでインストールできるApacheは今の所、2.2です。

ちなみに、一般的に「Apacheのインストール」などといえば、Webサーバの事を指すようです。上のコマンドでhttpdのことですね。当初、ApacheってApache Software Foundationの事じゃないのかと思っていた私は、してやられた気分になりました。

それで、普通に使う分には、2.2で問題ないのですが、tomcatと連携させるときにちょっと困ったことが起こります。詳細は省きますが、websocketが正常に動作しないのです。

そこで、2.4にする必要に迫られました。2.4はyumではインストールできません。

今回は、Apache2.4をソースからインストールする方法について述べます。

 

まず、前もってインストールしておかなければいけないものがあります。

yum install pcre pcre-devel wget gcc make

このコマンドでpcreやpcre-develをインストールします。wgetやmakeなどはすでにあるかもしれませんが、念のため。

 APRのインストール

次に、APRというライブラリをインストールします。なぜか2.4ではこれを別に入れなければいけないらしい。

APRのダウンロードページに行って、apr-1.5.1.tar.gzをダウンロードします。コマンドは、

cd /usr/local/src
wget http://ftp.tsukuba.wide.ad.jp/software/apache//apr/apr-1.5.1.tar.gz

とします。

2015年3月10日現在、APRのバージョンは1.5.1です。バージョンが変わると、アドレスが変わると思われるので、APRのダウンロードページから、apr-1.5.1.tar.gzを右クリック→リンク先をコピー(chromeの場合)して、リンク先を取得します。APRのダウンロードページは、更新するたびごとにミラーページが違うようです。

/usr/local/srcにダウンロードするのは、linuxディレクトリの使い方の基本らしいですが場所はどこでもかまいません。次に、

tar -xvzf apr-1.5.1.tar.gz

で解凍。apr-1.5.1というディレクトリができるので、

cd apr-1.5.1

で移動し、

./configure --prefix=/opt/apr/apr-1.5.1

とします。configreコマンドは、これからインストールするためにOSやCPUの情報を集めたり、次のmakeコマンドで利用するMakefileファイルを作成したりするためのコマンドです。prefixで、インストール先のディレクトリを指定しています。そして、インストールに入ります。コマンドは、

make
make test
make install

してインストールします。makeでコンパイルし、make testでコンパイルしてできたものが正しく動作することを確認、make installは仕上げのインストールコマンドです。

これで、APRが/opt/apr/apr-1.5.1にインストールされました。

 APR-utilのインストール

次に、APR-util 1.5.4をインストールします。再度APRのダウンロードページに行き、 apr-util-1.5.4.tar.gzをダウンロードして、コンパイル、インストールします。APRの時と同じ流れなので、コマンドだけ列挙します。一行ずつしっかりと実行してください。

cd /usr/local/src
wget http://ftp.tsukuba.wide.ad.jp/software/apache//apr/apr-util-1.5.4.tar.gz
tar -xvzf apr-util-1.5.4.tar.gz
cd apr-util-1.5.4
./configure --prefix=/opt/apr-util/apr-util-1.5.4 --with-apr=/opt/apr/apr-1.5.1
make
make test
make install

configureコマンドでは、apr-utilのインストール先として、prefixで/opt/apr-util/apr-util-1.5.4を指定します。また、with-aprで先ほどインストールしたapr-1.5.1を使うよ、というオプションをつけます。

これでようやくApache2.4をインストールする準備ができました。

Apache2.4のインストール

いよいよApache2.4のインストールです。Apacheのダウンロードページから、apacheをダウンロードしますが、2015年3月10日現在、Stable Release(安定版)が2.4.12になりますので、これをダウンロードします。インストールまでの流れはAPRと同じです。ただし、今回はmake testは不要です。

cd /usr/local/src
wget http://ftp.riken.jp/net/apache//httpd/httpd-2.4.12.tar.gz
tar -xvzf httpd-2.4.12.tar.gz
cd httpd-2.4.12
./configure --prefix=/opt/httpd/httpd-2.4.12 --with-apr=/opt/apr/apr-1.5.1 --with-apr-util=/opt/apr-util/apr-util-1.5.4
make
make install

 

これで、エラーが出てなければ、インストール成功です。Apacheの起動コマンドは、

/opt/httpd/httpd-2.4.12/bin/apachectl start

です。ためしにもう一度

/opt/httpd/httpd-2.4.12/bin/apachectl start

を打ってみましょう。正しく起動されていれば、既に起動されていますという意味のhttpd (pid 541) already runningが出るはずです。(pidは541とは限らない)

この状態で、ローカルで作業をされている方は、http://localhost/にアクセスしてみてください。localhostの部分は、わたしのようにさくらVPSを利用している人なら、さくらVPSから配布されたIPアドレスになります。例)http://160.111.222.333/

f:id:smartenergy:20150310231549p:plain

このような画面がでればapacheが起動できています。

お疲れ様でした。

 

【CeontOSにApacheTomcatシリーズ】 第1回 CentOS6.6にApache2.4をインストールする
第2回 CentOS6.6にJava8, Tomcat8をインストール
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