雑草SEの備忘録

東大を卒業し、SEとして働くことになった。備忘録的に作業を綴る。

転職直前の気持ち

転職をした。

といっても、20日までは今の会社に籍はあって、21日から新しい会社に移るのでまだ過去形ではない。

新卒で、今の会社に入って1年と4か月。多分短いと言われるだろう。周りからは3年は居ろとも言われた。上司に退職の意思を告げたとき、こうして短期間で職を変えることが僕にとって良いこととは思えないと止められたりもした。

転職活動をしはじめたのが4月末から。その間、精神的に紆余曲折があった。

まずは、次の会社への入社を4日後に控えた現時点での気持ちを率直につづってみたいと思う。気持ちというのは移ろいやすく、おそらく今の気持ちは3か月後にはないだろうから、今綴らなければならないと思う。備忘録だと思って書く。


正直なところ、今は不安で押しつぶされそうだ。

現職は、全世界で10万人以上の従業員がいる大企業。SI業界ではそれなりに名の知られた会社だ。一方、次は従業員100人にも満たない企業だ。今年で創業10周年。本格的にサービスインしてからは、7~8年たっているから、ベンチャー企業と言えるのだと思う。

現職の様な大企業では、教育もしっかりしているし、福利厚生もそれなりに手厚い。寮もあって、光熱費込で月額1万5000円を負担するだけで良い。大企業の中では潤沢な福利厚生とは言えないが、全体的に見れば手厚いと言える。
しかし、次の会社は寮などない。一定の条件を満たせば近距離手当がつくが、提示された条件では、その近距離手当を含んで現職と同程度である。光熱費も当然自分で払う。残業代も、45時間/月までは支給されない。必然、生活は苦しくなる。

それでも僕は転職を決意した。

私のモットーは、「若い時の苦労は買ってでもしろ」だ。

年収が多少下がろうとも、若い時からたくさん経験ができるであろう会社を選んだ。もちろんそういう経験ができるかどうかは分からないが、スピード感は、今の会社よりも早いであろう。

現職に大きな不満があったわけではない。もちろん、どこの会社に勤めようが、多少の不満はあるであろう。ただ、職場での人間関係も良好だったし、直前まで携わっていたプロジェクトでは、残業は多かったものの、仕事のやりがいもあった。積極的に自分から仕事をとりにいっていた。テスト工程のマネジメントの仕事をしていたのだが、テストがスムーズに進められるようにスケジュールを作成し、テスト仕様書も作成した。BPさんとのやりとりも僕が直接やっていたし、障害が起きたときの対応も僕がしていた。
先輩も関西人だったからかとても面白かった。上司からは、二人を見てると漫才の様だとも言われるぐらいだった。僕はテスト推進チームに属していたが、違うチームの人からは、テストチームは楽しそうで羨ましいと言われたりもした。

ただ、やはり大企業ならではの弊害もあって、思うところがあって退職することになった。ここでは詳細は別の機会に譲る。

現職での良好な人間関係もそうだし、仕事も覚え始めて面白くなってきてからの退職だったので、正直なんで辞めなければいけないのかという思いもあった。未だにある。だけれども、今の会社で定年まで働くイメージがまったく湧かないし、僕はやっぱり大企業に向かないんだと思う。経営者が直接見える企業で働きたいというのが就活していたころからの思いだった。小さいながらも会社が一丸となって、みんながみんな同じ方向を見て進む。そういう会社で働きたかった。
ただ、大企業に入りやすいのは圧倒的に新卒。大企業の経験もしたかったので、新卒の時は、今の会社を選んだ。知人に今の会社に勤めている人もいたので、雰囲気も分かって働くイメージが湧いたというのもある。

今度の会社は、エージェント経由で紹介された企業だ。面接は3回あって、2次面接と最終面接は同じ日に行ってくれた。しかも今の会社の定時を過ぎてからだったので、最後は23時近くだった。その日、オフィスの見学もさせてくれて、さらには、その日のうちに内定を出してくれた。僕を採用したいという熱意をすごく感じた。
内定のあと、オファー面談という、条件が提示される面談がある。その時にも、代表取締役、開発部の部長、人事部の部長というメンバーで面談を受けた。正直、人事部の人だけかと思ったので、びっくりした。かなり重いと感じたけど、結局はその熱意にやられた。

だからこそ、余計に不安だ。一応、現職でJavaの経験はあるとはいえ、転職先では、Ruby。やったことない。しかも、部長は東大卒だし、以前は外資系のIT系コンサル会社に勤めてたと言うし、周りの人も優秀そう。すごい期待してくれてるのはひしひしと感じたが、正直私は何もできない。それでもポテンシャルを買ってくれたんだと思う。

新しい職場での人間関係も不安だ。面談では、僕はその会社に居そうだとも言われた。やはり会社によって勤めている人の雰囲気は似ている。僕はその会社に居そうだというのだから、雰囲気は近しいのだろう。実際、オフィスを訪ねて働いている人と会話したときも、大きな隔たりは感じなかった。だからきっと大丈夫なんだろう。

しかし、いくら不安に思ってももう動き出してしまっている。後戻りはできないところまできてしまった。ここまできたら、どうせ死ぬわけじゃないしと思って腹をくくって頑張るしかない。

日立の社員が転職して後悔しているブログが有名になったが、私は後悔するのだろうか。いや、後悔するかしないかは次の会社での自分次第。もうやるしかない。